世界の環境教室

【韓国】山火事も発生したゴミの山 不法投棄に悩む韓国のゴミ問題

日本同様にお隣の韓国でも、ゴミ問題は深刻で、プラスチックの消費量が最も多い国の1つとされています。

韓国1人当たりの年間プラスチック消費量は145.9kg日本(71.5㎏)の2倍となり、1位ベルギー177.1kg、台湾154.7kgに続いて世界で三番目に多いのです。

プラスチック対策として、韓国は2019年、スーパーマーケットの使い捨てビニール袋を禁止しましたが、まだその効果は薄く、なかなか減らないのが現実です。

減らないとなると、その処理が問題になってきます。
2017年までは、中国にゴミを輸出できたのですが、それも今は禁止されており、国内で処理するしかありません。

さらに、この先の2028年には、中国は輸入禁止品目を強化。鋼廃棄物、使用済み自動車部品、老朽化した船舶など、数十種類のリサイクル可能な材料を追加。

韓国貿易協会(KITA)によりますと、韓国から中国へのプラスチック廃棄物の輸出量は90%以上も減ったという。
そのため、韓国国内では、行き場のないゴミが溢れ、不法投棄が問題になっているのです。

ゴミの山から山火事に

韓国の中部に位置する義城(ウィソン)郡。
農業が盛んな美しい場所として有名なのですが、このウィソン郡が今、深刻なごみ問題に直面しています。

ウィソン群を流れる洛東江(らくとうこう)沿いの水田の間にある17万トンのごみの山が自然発火。
周辺には煙が立ち込め、燃えるプラスチックから出る黒い煙と、焦げ臭い刺激臭が地域住民を襲ったのです。

韓国で続々と生まれるゴミの山

ゴミの山はウィソン群だけではなく、韓国の地方ではよく見られる光景だと言います。
では、なぜ、ごみの山が誕生したのでしょう。

ゴミ焼却所の減少問題

韓国環境省によりますと、韓国には不法投棄されたゴミは、全国で年間120万トンもあるという。
韓国では原則として、国内で出たごみはすべて、リサイクル、燃料への加工、焼却処分のいずれかの方法で処理されています。

しかし、最近はより高度な処理方法が求められており、起きた一連の出来事により、このシステムが妨げられている。
処理費用を負担できない施設が増えたのです。

韓国廃棄物協会のソン・ナックエン氏によりますと、2017年にスモッグの濃度が急上昇、それを受け、韓国政府は汚染ガスを排出するとされる廃棄物発電所やごみ焼却施設に対する規制を強化しました。

その結果、ごみ焼却施設の数は2011年の611カ所から、一年後には395カ所まで減少。
さらに、廃棄物発電所に対する締め付けが厳しくなる中、廃棄物固形燃料(再利用できないプラスチックや紙を固形燃料にしたもの)に対する需要も落ち込んでいるのです。

その結果、廃棄物処理会社がごみの収集を拒否したため、ソウルの通りはごみで溢れました。
この環境が闇市場を生み負のスパイラルに入るのです。

ブローカーが市場価格よりも安い価格で廃棄物の処理を請け負うようになり、韓国の過疎地に投棄するのです。
ごみの山が腐敗すると、ごみの表面下にガスがたまり、ウィソン群の山火事に発展するのです。

現在、義城郡当局は、郡の資金でごみを撤去しているが、ごみの山が巨大すぎて撤去は不可能だという。

新たなごみ廃棄場はもうない

中国がごみの輸入を禁止して以来、韓国はリサイクルできないごみの大半を廃棄するための「ごみ捨て場」として東南アジアを利用してきました。
現在、韓国がフィリピンに輸出しているごみの量は、中国政府がごみの輸入を禁止する前の10倍となり、さらにタイへの輸出量は約30倍に上ります。
しかも、海外に輸送されるごみのすべてが合法的に廃棄されている訳ではありません。

例えば、韓国企業から輸出されるごみは、再利用可能なプラスチックが一般的ですが、実際は再利用できないごみが大半で、フィリピン・ミンダナオ島に投棄されていたのです。

地元住民によると、廃棄されたごみの中には家庭ごみ、使用済みのおむつ、ハムの空き缶、洗濯機の部品などが含まれていたという。

その結果、韓国政府は、フィリピンの環境保護団体エコウェイスト連合からの抗議を受け、ごみを韓国に戻しました。
これは氷山の一角で、今でも東アジアの過疎地に廃棄されている可能性が大きいのです。

-世界の環境教室
-, ,

Copyright© Dear Feature , 2020 All Rights Reserved.